論文モード

そもそも、一番最初に私がWeb日記なんてものを作ったのは、論文を書いているときに、あまりに論文スタイルの文章に頭を占領されるのがイヤで、勝手気ままに文章構成とか整合性とか、とにかくそんなことは全部無視して書き殴りたい、という気持ちからだったのだけれど、まあ、その甲斐あって、今もここで書いている文章は、感情書き殴り系のままで、読みにくいと思うのだけれど、これが私の頭のバランスを取る上で必要なことになってしまっているので、ま、いっか。

で、先日、少し、文章を読んで気になるなら直して、なんていう機会があったのだけれど、いやー、ダメですね、そうなるとね、論文モードの頭が一挙に起ち上がりましてですね、いやいや、そういう文章じゃないだろ、と思い直してリセットかけたけれど、まいった。論文モードがそんなにすぐに頭を占領するだなんて。まあ、いつも仕事で頭を使っているときは、論文モードに近いモノはあるけれど、ほら、患者さんに説明するのだって、誰が聞いても同じようにとってもらわなきゃならないので、そういうしゃべり方をするし、整合性とれてなかったら自分の首を絞めることになるので常にそこもケアしているから、当たり前といえば当たり前なのだけれど、文章みた途端に添削モードになった自分にうんざり。ああ、それでは事実と違うように「も」読めてしまう、だとか、そんなことどうでもいいのに、一瞬でも考えたことがイヤだった。その文章に必要なのは、そんなことじゃなく、もっと別の次元のことだったりするのに、あー、論文の文章なんて、文学的価値なんてゼロだよ、ゼロ、と思うわけで、もちろん、科学論文はそれでいいのだけれど、でも、なんだかなー。

まあね、論文モードに慣れるまでは、逆にめちゃくちゃ大変だったわけなのだけれど。今までに書いたことのない文章を要求されるわけで、それはそれで、ほんと気持ちの悪いことだったのだけれど、数年やってると、身体にしみついてしまうのね。もう今はそんなことしなくていいのに。とはいえ、学会なんかに参加すると、頭の中で論理のつっこみだとかしている自分もいて、まあそれは頭の訓練になるからいっかー、と思っていたけれど、日常でもそんなことが頭をもたげてくるとは、驚き。

でも、研究ってのは楽しいし、この前もそんな話をする機会があって盛り上がって、ああ、また研究の世界にも足を踏み入れたいなあ、いやいや、そんな時間どこにもないだろ、と自分一人脳内でつっこみ入れてたりしたのだけれど、しかし、文章を見て直す、と言われたとたんに、殆ど脊髄反射じゃないのか、みたいなレベルで、論文添削しようとしているなんてのは、どうかと思うよね。ほんと。

あ。こんなこと書いてる間に、もうこんな時間。動きださなきゃ。