ポジ写真

川崎の市民ミュージアムで「木村伊兵衛賞」の歴代作家さんの写真が展示されている。その中で、強烈に心をつかまれた写真があった。

藤原新也作、カラーの、たぶん、ポジフィルムのプリント。かなりアンダー気味で色味が独特、今はなきコダクロームで撮られたものかな、という話だったけれど、もうほんとに美しい。それが印刷物になったものも一緒に展示されていたのだけれど、全然ベツモノで驚いた。

私は写真歴が短いからか、ほかの周囲の人たちに比べると、全然作家さんだとか写真だとかを知らなくて、今回の作家さんも初めて知った。静かで深く美しい色に完全ノックアウトされてしまった。この写真を見るためだったら、毎日通ってもいい、だなんて思うくらいに、心に響いた。欲しい、と思った、けれど、手に入れられるものでもないだろう。

あの色でプリントできるんだったら、カラーも撮りたい。けれど、そんなにかんたんにはコトは運ばないんだろうな。同じようにポジで撮ったとしても、同じようにプリントできる保証なんてないんだなあ。

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ゴールデンウイークの旅の撮影には、それでも、ポジフィルムも使ってみようと思う。