今夜はディナー

夕方、実家から電話がきて、夕飯は外に出かけるから一緒に行かないか、と誘ってもらった。現地集合で洋食を食べて、しばし親子3人でおしゃべり、なんだか珍しい感じで面白かったけれど、こういうときになると、いつも父は「お前は、あの神崎川の橋の欄干の上に座っていたころと全然変わらない」と言い出すのがおかしい。そんなの、3歳前の話で、どんなに昔の話だよ、と思うのだけれど、親の心としてはその時の私と変わってほしくない、とでも思っているのかなあ。本当に変わっていない部分も、もちろんあるのだろうけれど。子どものときの私は、天真爛漫、子どもらしい子どもだったんだろうな、と自分でも想像がつく。周囲の人たちに愛されていると十分に感じていただろうし、実際、私はいろんな面で恵まれていた。そりゃあ、男親としては、可愛い娘だったんだろう、なんて客観的には理解できる。

子どもの頃から食の細かった私に、両親は「食べられるだけ食べろ」といつも言う。最近は結構食べるので、嬉しそうにしている。今日も、普通に一人前を無事に食べただけなのに、「全部食べたやん」とにこにこしている。親ってのはそういうものなんだなあ、としみじみ思う。父も母もずいぶんたくさん食べていて、その上、デザートに大きなスイーツまで平らげていた。さすがにそれは、甘いもの嫌いの私には、真似できない。

この街に引っ越してきて、よかったな、と思う。両親の住む、私の育った街に戻って来て、よかったな、と思う。

ここにくるまで、いろいろともがいていた。もがきすぎて、何が何だかわからなくなった時期もあった。振り返れば、ずいぶん時間がかかったなあ。

そんなことをじんわり考えながら、休日の夜は更けていくのでありました。寒いけれど、なんだか心が暖かい。