一人の朝

目覚ましが鳴っても、起きるのは私だけ、今まで一緒に起きていたにゃーは、今朝はもう起きることはない。

ああ、今まで私は、ずーっとひとりぼっちじゃなかったんだなあ、と思う。

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冬空の朝、にゃーとお別れをしなくては。でも、もう本当は、にゃーにとっては私とのお別れは終わっているんだよね。いくら、私が声をかけたところで、にゃーには届かない。でも、今までずっと、毎日、毎日、ずっとずっとにゃーとはお話してきたから、十分お話してきたから、きっともう、声をかけることも必要ないんだろうな。にゃー、さよなら、と、私が言いたいだけだ。にゃーは、いつ、私にさよならを言ってくれたのかな。さよなら、なんていらなかったのかな、

私の心の中に、生き続けることを知っていたから、さよなら、なんて、いらなかったのかな。