ピアノコンチェルト、リヒテル

リヒテルのラフ2、持ってるよ、ということで自分でも全然認識していなくて、うー失格だ、と、今までの勉強不足、というか、アンテナの感度悪すぎ状態を素直に反省している今日この頃。多分、15年やそこら前から持っていたCD・・と書いて、ケースを確認すると、なんと89年だった。20年近いじゃん・・何も認識せずに、これいいわあ、レベルの聴き方をしていたリヒテル、思わずごめんなさい、と謝らなきゃならないんじゃないか、と正座して聴き直すことに。

実はこれは2曲カップリングになっているモノで、もう一曲はチャイコのピアノコンチェルト。カラヤン指揮、ウイーンフィルかな、と思ったら、ん?Vienna Symphony Orchestraだった。でも、これがまた良かったりする。まだ時間が早いということで、結構な大音量で聴いてみると、身体を立てていられなくなり、ソファに身を沈める。つつー、と涙、あ、やばい、といういつものパターンにはまる。ピアノもすごいのだろうけれど、この曲のオケはドラマチックでとても好き。まあ、全般的にチャイコはずっと思春期のころから好きだったのだけれど。関係ないけど、今日HMVくるみ割り人形を探したけどなかった、残念。この寒い週末に、お部屋でぬくぬく聴きたかったんだけどなー。で、チャイコのピアノコンチェルト、この盤しか持ってない。というよりね、私は今までピアノのCDというのは、殆ど持っていなかったから、あ、もしかすると、持っていたのは、これ一枚きりだったかも、なので、持っていたこと自体が凄い感じ。で、偶然、カップリングが、お勧めな感じのラフ2だったという、ラッキー。

とか何とか考えながら、いいなあ、気持ちいいなあ、と、まるでふぬけになりながら音に浸る。一番最初、スピーカー直置き、ケーブルもてきとー(?)だったときに、このシステムは、実はちょっと大編成は苦手なのかな、なんて勝手に思ったけれど、それは全てわたくしの不徳の致すところだったわけで、今ではすっかり大編成も安心して没頭出来る感じ。音量を上げることができる時間帯には、もう時を惜しむようにして大編成鳴らす、というパターンになりつつある。やっぱり、こういうのはある程度、音を出すことで気持ちよさ倍増だから。

で、ラフ2、ピアノも凄いのだろうけれど、どうしても、私はオケの厚みや響きにやられてしまう。そのへんがピアノコンチェルトに手が出ない理由なのかな。ピアノだけの曲なら、まだピアノを聴くぞ、という気持ちになっているのだろうけれど、こういうコンチェルトになると、すっかりピアノもオケの一つの構成要素に聴いてしまう。ごめんなさい、リヒテルさん。これがね、バイオリンコンチェルトだったら、ちゃんとバイオリンを独立させて聴いているのだから、やっぱり、ピアノコンプレックスのせいなんだなあ、多分。自分がピアノの難しさ、それも音を出すという部分ではなくて、もっと純粋にテクの部分の大変さをちゃんと理解していないというのが、そのへんに出ちゃうのかもしれない。周りにピアノで音大に行った子が少なかったからかなあ。オケの友達は、殆どが弦だったし、あと、同じ学校の友達は声楽の方が多かった。考えてみれば、ピアノで音大に行ったのは、友達の中には一人しかいないや。

なんて、とりとめもなく考えていたのだけれど、急に、小学校6年生の音楽会のことを思い出した。クラス単位で合唱をしたりする、あの音楽会。一クラス2曲ずつ歌った気がするけれど、私のクラスは、一曲は何か普通の曲・・ああ、そうだ、翼を下さい、だ。大好きな曲で、カラオケでも歌うよ、で、翼を下さい、のピアノ伴奏は、クラスで一番ピアノがうまい子が担当したはず。男の子で、お母さんがピアノの先生だった。物静かな子で、色白で、秀才タイプだったなあ。彼は今どうしているんだろう、やっぱりオヤジになっているのかなあ。あ、そんなことはいいんだった、で、もう一曲は、クラスのみんなに詞を募集して、その中から選び(どうやって選んだんだっけ、忘れたな)その詞に担任の先生が曲を付けたというオリジナルだった。でね、おかしなことに、もちろんそんな曲だから、伴奏の譜面なんてないし、どーすべ、というときに、私が伴奏を勝手に作って弾いたという。ピアノ、習ってなかったのにね。今思うと稚拙な伴奏だったけど、感覚的にアレンジしててきとーに作って弾けた、というのは、その時には何も思っていなかったけど、振り返ってみれば、へえ、という感じ。私ったら、おませさん。

その頃のことを思い巡らせていて思い出したけど、新一年生が入ってくる入学式に、新6年生が歓迎の演奏をする、というのがあって、音楽が好きな子がクラスから数人選ばれて(誰が選んだんだろう?)音楽の先生の特訓を受けて、合奏するわけで、私も何故か、というか、当然、そこに参加、で、ここが面白いのだけれど、私はバイオリンを弾くでもないし、ピアノを弾くでももちろんなく、マリンバ担当だった。あ、そっか、新6年生だけじゃないや、5年生、6年生が一緒にやるんだった。2年連続でマリンバを担当したのを思い出した。なんだかよくわからないけど、とにかく、音楽はずっと大好きだったんだなあ、と、ちょっとばかり象徴的な出来事を思い出した。ちなみに、演奏したうちの一曲が「アルプスの少女ハイジ」のテーマ曲。懐かしいなあ。今でも、そのマリンバのパートを思い出せるよ。

なんて考えているうちに、ラフ2は2楽章へ。ああ、美しいなあ。あとは、しばらく、思いっきり音に浸っていよう。なんだか良い時間だ。