そして。

TOTO/lV、Sade/Lovers Rock、STYX/Greatest Hits、Simon and Garfunkel/Greatest Hits、Anita Baker/Compositions、Desree/Dream Soldier、Basia/The Sweetest Illusion、Norah Jones/New York Cityと続く。私が音楽を一生懸命聴いていた時期が何となく現れている選択だなあ、と思う。(中には全然関係ないのもあるけど)

とにかく、何を聴いてもいい。気持ち、いい。素直にその音楽に浸れる。何を聴いても、とにかくすーっと気持ちよくなれる。

でも、何を聴いても、QUADとTANNOYの音がする。今のこのシステム、無色透明ではない気がだんだんしてくる。決してそれは主張が強すぎるという意味ではなく、確実に「私の音」になりつつある、言い換えれば「”私”が一緒に暮らしている音」。クラシックも、アンビエントも、ポップスも、何もかもが”私”の部屋の音になるだなんて。ああ、もしかすると、これは、「私の、この部屋の、冬の音」かもしれない。もっと言えば、「今年の冬の音」。季節が巡って春が来れば、春の音がするかもしれない。晴れの日と、雨の日、そして雪の積もった日の空気を違って感じるように、このシステムも違う音を出すかもしれない。そう感じるほどに、音に命があるような気がする。

そして、きっと一緒に暮らす人間が、私ではなく、どこかの誰かだったら、また違う音を見せてくれるんじゃないか、なんて思う。いい音とか、ダメな音だとか、そういう概念とは全く別のところにある、違い。それは、実は私が毎朝アンプに手を置いて、振動を確かめながら、今日も元気だ、おはよー、と言っているとか、タンノイに鼻先をくっつけてを感触を確かめているだとか、そういうことだけじゃなくて、そこにいる人の「何か」を感じ取って「何か」を返してくれている、そんな気がしてしまう。たかが機械じゃないか、と思う私がいる反面、いや、きっとそうに違いない、と心を奪われている私がいる。

今回のシステムが私の人生に加わったことで、生き方が変わってしまう気がしてきた。これは、一つの出会いだ。それも、最上級の出会いに違いない。

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ああ。ぼかぁ幸せだなぁ。