危機と妄想

母は言った。「だいじょうぶ、人類が滅びることよりも先に、あんたもお母さんも死んじゃって、もうここにいないから」と。でも、私はそんなことを言ってるんじゃない。私がその危機に遭遇することが怖いわけじゃない。

反対に、それに遭遇しないから怖くないというのでも、もちろんない。

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妄想だって、なんだって、それで心が安心するなら、その部分では価値があるのだと思ってしまう。ということは、心が安心することに飢えている、ということの裏返しかもしれない。