eel valleyもあと少し

ここの題名だって、どうしようかなあ、とふと思う。

「こんど、引っ越したら、寂しくなるんちゃうの?岐阜に行ったときみたいに、ホームシックみたいになったりして。」って、お母さん、私が一番センチメンタルに思っている部分を言わないでよー、という感じの会話があったりしたこともあって、ああ、あと何日・・とカレンダーで数えたりしています。そう、キライじゃなかったから、eel valley。物騒でコンビニ強盗だって起こるし、発砲事件だって起こるような場所ではあったけれど、都会なわりにはひっそりしていて、鰻谷通りの寂れ方なんかも味があって好きだった。少し歩けば何でもあって、なによりもアップルストアが至近距離っていうのが気に入っていた。

確かに、次の部屋の周りには今のところみたいな街はない。住宅街が延々と続く地域。その代わり、少し車で走れば大きな公園もあるし、ああ、そうか、万博公園だってすぐそばだ、それに、ちょうどいい食材の手に入るスーパーだってある(今の場所には、ないもんね)し、特に不便なわけじゃなく、生活することだけに限って言えば、むしろ便利になるくらい。それでも、何となく寂しいのは、本当はあそこでひっそりと暮らしていることも捨てたくなかったからだろう。

もともとは北摂の出身、そして、職場だって北摂にある。もうすぐ私に責任を少しずつ渡そうとしている父の意向も無視できない。今の場所からの通勤は、高速道路に頼っているので、何かあったりすると大幅に遅刻する。責任者としては致命的。それを考えると、高速を使わなくても、最悪、車を使わなくてもどうにかして通勤できる距離の場所で暮らすことは、必要なこと。eel valleyから逃げてしまいたいだけじゃなく、本来の自分の責任を果たすためには、次の部屋へ移ることにメリットがある。だからこその引っ越しの選択だったのだけれど。

あと数日、となると、どうもいけない。こんな経験って、今までもあったっけ。ああ、そっか。もう忘れかけていたけれど、大阪から東京へ移ったときも、そうだったな。最後の最後になって、大阪での自分の位置というのを強く感じたのだったな。

今度の引っ越しは生活まで変わるわけじゃない。ちょっぴりだけ静かに暮らせるようになるだけなんだ。そして、華やかな街の風景と引き替えに、何にも切り取られない大きな空と、ゆっくりと昇ってくるピンク色の朝日と、夜のしんとした静けさを手に入れることができるのだろう。きっと、すぐに穏やかに過ごすことが楽しくなる。最初は何だか物足りなくても。