大好きなカフェ

lovergirl2005-07-30


仕事はお昼までで終わり、特に予定もないので、もし、ぽっかりとスペースが空いていて、うまい具合にクルマを停めることができれば、そのカフェに行こうと思いついた。ランチの時間にしては少し遅いからか、おあつらえ向きに一台分のスペースがあり、そのまま白いゴルフを滑り込ませて、ベーカリーの横の小さな階段をとんとんと上がる。

予想に反してお店の中はいっぱいだった。やっとのことで一人のいすを確保し、メニューに目を落としたのだけれど、やっぱりオーダーしたのはいつものパスタ、ウニのクリームソース、そして、それにアイスコーヒーをつけて、これが私のお気に入り。

少し久しぶりのこのカフェ、うるさい音楽もなければ、モダンな装飾もない、どこか南国のリゾート風にも思えるカウンター、でもお料理はリーズナブルなのにしっかりとおいしい。このカフェは大阪では老舗なカジュアルフランス料理のお店のベーカリーから生まれたところだけあって、味がしっかりしている。パスタについてくるパンももちろんおいしい。休日の昼下がりなんかに、一人で、もしくは、本当に気のあう人と二人でくるのにちょうどいい。

読みかけの本を広げながらパスタが出てくるのを待つ。ゆったりとした時間が流れる。窓越しの太陽の光が観葉植物に反射して綺麗だ。小さなため息をついて、ああ、ここが私の場所だったなあ、と懐かしい安堵の気持ちがわいてくる。こういう場所が生活圏にあることは、私にとって大きなことなのかもしれない。そう思うと、ここ鰻谷から離れるのは、やっぱりつらいことになるかもしれない。

実は、今、生活の場を変えることを、少しだけ考え始めている。鰻谷がイヤになったわけでは当然なくて、むしろこの雑踏の中で隠れ家のように暮らすことはとても気に入っているのだけれど。でも、気分のいい休日に、ほんの近所をぶらぶらと散歩するだとか、ちょっとした買い物に、一番近いその種のお店へ、なんて考えたときに、あまり考えたくないことが頭に浮かぶくらいなら、ここを出て行くことのほうが、私のためにはいいかもしれない。

少し、考えよう、と思う。きっと次に選ぶ街にも、お気に入りの場所ができるに違いないのだから。