「宇宙人のいる教室」

「きみたちが弱いものいじめをするのは、きっと、あまりにもめぐまれているからだと思うな。もっときびしい環境の中では、だれもそんなことしないよ。」

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人の心は弱いからこそ、いじめや差別はなくならない。その火種は、誰でもが持っている、心の暗闇の中の、弱い自分。

人間の弱さに気づかされることの一つに、過酷な環境、というものがある、と思う。ただ、その過酷な環境であることを、真正面から見なければならないほどの過酷さでないと、意味がない。中途半端な体験は、ますます弱さをマスキングする術を身につけるという、本当に無意味で不利益な結果をうみだすことになりかねない。

体験の中にいる自分から逃げることができないことに気づくと、楽になる気がする。

ただ、それは、ただ単に、しがらみから逃れることができたから楽だ、という状態とは、ちょっと違うかも、しれない、とも思う。新しい視点からみた困難に気づくこと、であるかもしれない、とも思う。それでも、その状態を「楽になる」と表現したい自分がいる。