papier d'armenie

心に障ることがちょっぴりだけあったとしても、大きく崩れないのは、本を一冊読んだからかもしれない。2冊目を手にとって開いてみたけれど、まだ読み進むきっかけをつかめずに、今は少し音楽でも流してみようという気分。

自分で買ったお香のほかに、「普段使いですが」と頂いたものがあと少し残っていて、ちょっと気分転換、火をつけてみる。あれ?なんだか、これ、懐かしい香りがする。何だろう・・とかすかな記憶をたどってみて、あ、そうだ、これはあの紙製のお香と似ているんだ、と思い当たった。

その紙製のお香、というか、消臭剤のような目的で使用すべきものなのだろうか、初めて見つけたのは多分東急ハンズだか、そういう場所だったと思う。きっともう、20年以上前のこと、私が大学に入学して、親元を離れて一人で暮らし始めたころには、それはもう手元にあったから。お料理の残った匂い、ペットの匂い(実家にもネコと犬がいる)、そのほか、たばこの匂い(そのころはたばこを吸う習慣はなかったけれど)なんかも、カバーしてくれる感じのお香。優しい香りが好きで、消臭目的というよりは、その香りを感じたいがために、よく火を灯した。安息香酸の含まれた紙きれをじゃばら状にたたんで、耐熱性の器の上で火をつける。そうすると、それが燃え尽きるころには、あたりは柔らかで独特の香りに包まれる、という不思議な紙だった。

ネットで調べてみると、まだ作られている。フランス製らしい。サイトもあったけれど、ここ、なぜかヘンな音が出る(汗)。papier d'armenie

このお香は、少し癖があって残る調子も個性的だと思う。でも、私は嫌いじゃない。少し甘くて、苦みのある、独特の香り。ただ、続けて焚くには抵抗がある。調子が強すぎるからだと思う。

さて、今夜の締めくくりはどれにしようかな。休日、ほとんどを自宅で過ごしたにもかかわらず、なんだか精神活動の忙しい一日だったけど、今夜はゆっくり眠れそう。これであと、一つ、心待ちにしている知らせが届けば、と思うけれど、これもまた、自分の力のコントロール外のことなので、そろそろ執着するのをやめなければ、ね。

そう言っている間に、別の優しい知らせが届いたり、なんていう良いこともあったし、きっと今夜はいい夜だ。

おやすみなさい。